霊界通信 小桜姫物語

四十六、龍神の生活

 わたくしはひるまず質問しつもんをつづけました。――

問『龍神りゅうじんにも人間にんげんのようにぬことがございますか?』

答『人間界にんげんかいにてかんがえているような、所謂いわゆるというものはもちろんない。あれは物質ぶっしつ世界せかいのみにおこる、ひとつのうるさい手続てつづきなのじゃ。――が、龍神りゅうじんからだにもひとつの変化へんかおこるのは事実じじつである。そなたもへび脱殻ぬけがら――丁度ちょうどあれにうすうすかわが、龍神りゅうじんからだからけてちるのじゃ。龍神りゅうじん通例つうれいしッとりした沼地ぬまちのようなところでそのかわぎすてる……。』

問『龍神りゅうじんさんの分霊ぶんれい人体じんたい宿やどることは、今日きょうでは絶対ぜったいいのでございますか?』

答『龍神りゅうじん分霊ぶんれい直接ちょくせつ人体じんたい宿やどって、人間にんげんとしてうまれるということは絶対ぜったいにないとってよい……。が、一人ひとり幼児おさなご母胎ぼたい宿やどったときに、同一どういつ系統けいとう龍神りゅうじんがその幼児おさなご守護霊しゅごれいまた司配霊しはいれいとしてはたらくことはけっしてめずらしいことでもない。それが龍神りゅうじんとして大切たいせつ修業しゅぎょうひとつでもあるのじゃ……。』

問『龍神りゅうじんにも成年期せいねんきがございますか。』

答『それはある。龍神りゅうじんとて修行しゅぎょうまねば一人いちにんまえにはなれない……。』

問『大体だいたい成年期せいねんき何歳いくつぐらいでございますか?』

答『これはいかにも無理むり質問といじゃ。本来ほんらいこちらの世界せかい年齢ねんれいはないのじゃから……。が、人間にんげん年齢ねんれいなおしてたら、はっきりとはわからぬが、およそそ五六百年位ねんぐらいのところであろうか……。』

問『矢張やは人間にんげんのように婚礼こんれいしきなどもございますもので……。』

答『人間界にんげんかい儀式ぎしきとはちがうが、矢張やは夫婦めおとになるときにはまった礼儀れいぎがあり、そしてうえ龍神りゅうじんさまからのお指図さしずける……。』

問『矢張やはり一規則きそくでございますか?』

答『無論むろんそれが規則きそくじゃ。修行しゅぎょうんだ、たか龍神りゅうじんとなれば、けっしてこの規律きりつそむくようなことはせぬ。しかしなが霊格れいかくひく龍神りゅうじんあいだにはそうのみもわれぬふしがある……。』

問『うまれるのは矢張やは一体いったいづつでございますか?』

答『一体いったい普通ふつうじゃ、双生児ふたごなどはめったにない……。』

問『おさんということもありますもので……。』

答『妊娠にんしんする以上いじょうさんもある。そのさい女性じょせい龍神りゅうじん大抵たいていどこかに姿すがたかくすもので……。』

問『一つい夫婦ふうふあいだうまれる子供こどもかずはどれくらいでございましょうか?』

答『それはわからぬ。通例つうれいよほど沢山たくさんで、幾人いくにん勘定かんじょうはしかねるのじゃ。』

問『年齢としれば矢張やは子供こどもまぬようになるものでございますか?』

答『年齢としるからではない、浄化じょうかするから子供こどもまぬようになるのじゃ……。』

問『浄化じょうかしたのと、浄化じょうかしないのとの区別くべつは、うして見分みわけられますか? 矢張やはいろでございますか?』

答『左様さよういろで一ばんよくわかる。最初さいしょうまれたての龍神りゅうじんみなちゃッぽいいろをしてる。そのぎはくろ、その黒味くろみ次第しだいうすれて消炭色けしずみいろになり、そして蒼味あおみくわわってる。そなたもとおり、おお見受みうける龍神りゅうじんたいてい蒼黒あおぐろいろをしてるであろうが……。それが一だん向上こうじょうすると浅黄色あさぎいろになり、さらまた向上こうじょうすると、あらゆるいろうすらいでしまって、なんともいえぬ神々こうごうしい純白色じゅんぱくしょくになってる。白龍はくりゅうになるのにはたいへんな修行しゅぎょうたいへんな年代ねんだいかさねねばならぬ……。』

問『夫婦めおとになるのはたいていどのへんいろでございますか?』

答『いろにはらぬ。くろくろ同志どうし夫婦めおとになり、そしていつまでってもくろけないのもすくなくない……。』

問『男女だんじょ区別くべつおも何処どこわかりますか?』

答『つのが一ばん目標めじるしじゃ。つののあるのはおとこつののないのはおんな……。』

問『夫婦めおと龍神りゅうじん矢張やは同棲どうせいするものでございますか?』

答『龍神りゅうじんにとりて、一緒いっしょむ、まぬは問題もんだいでない。龍神りゅうじん生活せいかつ自由じゆう自在じざい人間にんげんのようにすこしも場所ばしょなどにはしばられない。』

問『うまれたばかりの子供こどもうしてりまするか?』

答『しばらくは母親ははおや手元てもとかれるが、やがて修業場しゅぎょうばほう引取ひきとるのじゃ。』

問『ういうわけいけ修行場しゅぎょうばにしてあるのでございますか?』

答『いけは一しゅ行場ぎょうばじゃ。人間界にんげんかい御禊みそぎおなじく、みずきよめられる意味いみにもなってるのでナ……。』


四十五、龍神の修行場

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四十七、龍神の受持


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