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(上編)叔父さんの住む霊界

二十四 大学の組織

 えて四がつ二十七にちワアドふたた叔父おじさんをその霊界れいかい書斎しょさいおとずれました。

叔父。今日きょう私自身わたしじしん生活せいかついてモすこしおまえ説明せつめいしてきたいとおもうが……。』

 ワアド。是非ぜひねがいいたします。ひさしいあいだそちらのはなしうかがいませんでしたね。』

 叔父。『イヤはなしるべく多数おおぜいひとのをきいてくにかぎる。たッた一人ひとりの千ぺんりつ物語ものがたりかえしてきいたところで仕方しかたがない。

今日きょうわしはなしはこの大学だいがく内部ないぶ組織そしきかんすることにしたいとおもう。霊界れいかいでは沢山たくさん学科がっかわかれてって、いろいろの学会がっかいもうけられている。学問がくもん種類しゅるい大体だいたいおいよっつにわかれる。だい霊性れいせい発達はったつ研究けんきゅうする。だい不幸ふこうなものの救済法きゅうさいほう研究けんきゅうする。だい地上生活中ちじょうせいかつちゅう興味きょうみかんじた問題もんだいきて新発見しんはっけん成就じょうじゅしようとする。だい霊界れいかい発見はっけんした新事実しんじじつ人間界にんげんかいつたえることの研究けんきゅうをやる。

霊界れいかいにあるすべての学会がっかいのことを説明せつめいしてには時間じかんがつぶれて仕方しかたがないから、そんなはなし後日ごじつゆずり、うえげた四種類しゅるい学科がっかについてざッと説明せつめいし、そのあとですべての代表だいひょうとしてわし学校がっこう実状じつじょうでもべるとしよう。

霊性れいせい発達はったつ研究けんきゅう──これはわしげんりつつあることであるから、一ばんあとまわしてほかの三種類しゅるい説明せつめいからはじめる。

不幸ふこうなものの救済きゅうさい──これは地獄じごくちて霊魂れいこん救済法きゅうさいほう研究けんきゅうするのと、地上ちじょう人類じんるい正道せいどうみちびくことの研究けんきゅう、との二種類しゅるいわかれる。

新発見しんはっけん研究けんきゅう──そのうちぞくするのは美術びじゅつ建築けんちく医療いりょう音楽おんがく、そのきて科学的法則かがくてきほうそくきわめんとするいろいろの学会がっかいである。わしなどは文芸復興期ぶんげいふっこうき建築学会けんちくがっかいはいっているが、これは文芸復興期ぶんげいふっこうき精神せいしん尊重そんちょうしながらこれ新思想しんしそうれんとする団体だんたいなのである。

新事実しんじじつ人間界にんげんかいつたえる研究けんきゅう──これはだい研究けんきゅうともな必然ひつぜん仕事しごとで、立派りっぱ発明はつめい霊界れいかい出来上できあがると、何人なんびともそれを人間にんげん普及ふきゅうしてやりたくなる。もっとなかにはすっかりこの仕事しごとりてしまって一こう冷淡れいたん連中れんちゅうもないではない。霊界れいかいほうでも人間にんげん指導しどうかんしては随分ずいぶんにが経験けいけんめさせられてる。いかにすぐれた霊界れいかい思想しそうでもこれ人間にんげんこころにうつしてると、すっかりにおいがぬけてしまって、うっかりするとポンチすることがすくなくない。さらあきれるのはその発明はつめい有効ゆうこう使つかわれずに、まるきりんでもないことに悪用あくようされることである。美術びじゅつかんするものは大抵たいてい前者ぜんしゃ運命うんめい辿たどるものがおおく、これはんして科学的かがくてき機械的きかいてき発明はつめい人間にんげんほう印象いんしょうあたやすいかわりに悪用あくようされるおそれがある。

んな次第しだい霊界れいかいにはその発明はつめい絶対ぜったい人類じんるいらすまいとする霊魂れいこんる。だい学会がっかいではんな規則きそくもうけてる。──「本会ほんかい会員かいいんはその発明はつめい人類じんるいもしくはだいぞくする学会がっかいらすことをきんず。」──随分ずいぶん八釜やかましい規則きそくじゃろうがナ。

『しかしすべての学会がっかいことごとくそうではない。すこしは其所そこ例外れいがいもうけてある。が、かく人類じんるいとの交渉こうしょうだいぞくする学会がっかい仕事しごとぞくし、諸種しょしゅ医学会いがくかいなどというものは一ばんだいおおい。』

 ワアド。『するとあなたがた人類じんるい霊感れいかんおこさせるには是非ぜひとも一の学会がっかい入会にゅうかいする必要ひつようがあるのですか? 個人こじんとしてそうすることがきないのですか?』

 叔父。できことできるが、しかし個人事業こじんじぎょうではうまくかない。ちいさくとも矢張やはり一の学会がっかいぞくするほう便利べんりじゃ。

『さてこれからすこわしはいっている大学だいがくのことをはなそう。幹部かんぶ学長がくちょう一人ひとり学長がくちょうもと次長じちょう一人ひとりべつ評議会ひょうぎかいがあってそれをたすける。』

 ワアド。たいへんドーもフリィメーズンだん組織そしきるようでございますナ。』

 叔父。わしはそんなことはらないが、ことによったらそうかもれない。──さて学生がくせいであるが、それは三わかれる。だいむとだいのぼり、だいむとだい進級しんきゅうする。すべて霊能れいのう高下こうかによりてきめられる。

評議員会ひょうぎいんかいはこのだいから選抜せんばつしたもので組織そしきされる。さらにいろいろの役員やくいんが、評議員ひょうぎいんなかから学長がくちょうによりて選抜せんばつされる。』

 ワアド。『ますますドーもフリィメーズンだんそッくりでございます。三わかれるところなどは余程不思議よほどふしぎです。』

 叔父。『そうかもれない。フリィメーズンの組織そしきなどもおそらく霊界れいかいからたものであろうが、これはきわめて自然的しぜんてき施設しせつで、地上ちじょう大学だいがくでもだいねん、二ねん、三ねんわかれ、べつ研究生フェローいてあるではないか。』

 ワアド。『あなたがたにも矢張やは試験しけんのようなものがございますか?』

 叔父。試験しけんはありません。受持うけもち教授きょうじゅがこれでよいとみとめると上級じょうきゅうのぼしてくれるのじゃ。進級しんきゅうするときはいくらか儀式ぎしきのようなものがある。学級がくきゅう区別くべつはもちろん霊界れいかい区別くべつとは別問題べつもんだいじゃ。だい年級ねんきゅうのぼったとて半信仰はんしんこうのものは依然いぜんとして半信仰はんしんこうきょうる。』

 ワアド。『あなたはなに学級がくきゅうられます?』

 叔父。わしかい? わしはまだ最下級さいかきゅうじゃよ。しかしすぐぎのきゅうすすむとおもう。──それはそうとおまえはモーかえらねばならない。』

 ワアド。『モーかえるのですか? わたしはホンの短時間たんじかんしかここりませんが……。』

 叔父。『それでもかえるのじゃ。』

 ワアドなにやら旋風せんぷうにでもまきまれたように大空おおぞらきあげられ、四暗澹あんたんたるなかをグルグルおおきなえんえがきつつ廻転かいてんしたようにおぼえたのでしたが、その渦巻うずまきがだんだんちいさくなるにしたがって次第しだい知覚ちかくうしなってしまいました。


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