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(上編)叔父さんの住む霊界

十二 霊界の学校

わしどうやらまだちなかったので、さら質問しつもんをつづけた。──

「モ一つ質問しつもんさせていただきます。一つの思想しそうがまるきり無関係むかんけい新思想しんしそう創造そうぞうすることがきないというのに、何故なぜそれが人間にんげんにはきるのでしょう? 人間にんげんはある場合ばあいおい残忍ざんにん悪思想あくしそう創造つくり、その思想しそうもっ他人たにん残忍ざんにん行為こういみちびくことができると同時どうじに、ぎの瞬間しゅんかんには親切しんせつ善思想ぜんしそう創造つくり、これをもっ他人たにん善道ぜんどうみちびくことがきます。何故なぜんな相違そういしょうじてるのでございましょうか?」

先生せんせい。「それならまたたずねますが、一たい人間にんげんなんなんとから出来できります?」

 私。物質ぶっしつかたちちからの三つからります。」

先生せんせい。「思想しそうなにから出来できります?」

 私。たんかたちのみかとぞんじます……。」

 先生。『それであなたの疑問ぎもんけてはずでしょう。」

 私。『ああわかりました。ちからしょうするものの有無うむによりて相違そういしょうずるのでございましょう。が、ちからとは一たいなんございましょうか?」

 先生。『あるひとちからかみだといいます。またあるひとちから物質ぶっしつとがかみだといいます。またあるひとちから物質ぶっしつとはどう一で、かみかみたる所以ゆえんはここにぞんするのだといいます。人間にんげんちから物質ぶっしつかのうちれかを創造つくますか?」

 私。『イヤ人間にんげんはただかたち創造つくるだけかとぞんじます。」

 先生。『あなたの疑問ぎもんはまだそれですっかりけてはしまいませんか?」

 私。わたし最初さいしょ疑問ぎもんはまだかれてないかとぞんじます。わたし疑問ぎもんうです──人間にんげん種々しゅしゅ思想しそう創造つく力量ちからがあるのに何故なぜ人間にんげん思想しそうにはそれがありないか?」

 先生。かみはあなたを創造つくります。あなたはあなたの思想しそう創造つくります。あなたの思想しそう感化かんかします。

思想しそうはたらきはそれを創造つくった思想しそうによりてしばられます。あなたの行為こういはあなたを創造つくったちからによりてしばられます。かみ何物なにものによりてもしばられません。」

 私。『すっかりわかってまいりました。われわれ人間にんげんには自分達じぶんたちらぬ事物じぶつにつきて思考しこうする能力のうりょくがありません。しかるにかみ全智ぜんちであり、したがって全能ぜんのうであります。」

 先生。かみは一さいなのであります。──あなたのだい課程かてい首尾しゅびよくおわりました。みなさんに休暇きゅうかゆるします。戸外おもてよろしい。」

つぎぎの瞬間しゅんかんにわれわれ一どう小学校しょうがくこう生徒せいとそのまま戸外おもてして、おもおもいの勝手かって遊戯ゆうぎふけったのである。が、霊界れいかいあそびというのはみな精神的せいしんてきのもので、そして地上ちじょう業務しごとしょうするものが、つまりここではみな娯楽ごらくなのであるからが大分だいぶ勝手かってちがっている。わしのことだから、おのずと建築けんちく趣味しゅみっている人々ひとびとくみはいってあそびました。可笑おかしなことには仲間なかまみなそれぞれ身材せいたかさがちがう。それは各自かくじ霊性れいしょう発達はったつどう一でないからである。やがて仲間なかま一人ひとりが、往古むかし地上ちじょうにあったある有名ゆうめい建築物けんちくぶつ見物けんぶつ出掛でかけようとした。

「さァ」とわしった。「郊外こうがい風致ふうちそこねる俗悪ぞくあくきわまる別荘べっそう見物けんぶつなら難有ありがたくもないが……。」

たとえばきみつくったようなシロモノカネ。あんなものはまった難有ありがたくない……。」

一人ひとり少年しょうねんがそうわしのことを皮肉ひにくッた。しもこんなことをわれたなら、きて時分じぶんであったらおそらくむかッぱらをてたとおもうが、わしはただ哄笑たかわらいですました。するとさきに発議ほつぎした大柄おおがら少年しょうねんそばからくちした。──

きみ、そんな心配しんぱいは一さい無用むようだよ。俗悪ぞくあく建物たてもの霊界こちらへはないでみな地獄じごくほうってしまう。もちろん霊界こちらにあるものだって最上等さいじょうとう種類しゅるいではない。最上等さいじょうとうのものはずッとうえほうかいくからね。しかし霊界こちらのだとてそう莫迦ばかにしたものではない。一つ非常ひじょうによく出来できているアッシリアの建築けんちくがあるからってようではないか?」

『こんな相談そうだん結果けっかわれわれはれてそのアッシリア建築物けんちくぶつ見物けんぶつ出掛でかけたのであったがわしってそれはなによりの保養ほようであった。』


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