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(上編)叔父さんの住む霊界

十二 霊界の学校

先生せんせいわしむかって質問しつもんされたのは、わし教室きょうしつはいってしばらくぎてからのことであった。

 先生。『あなたはなん質問しつもんがありますか?」

 私。御座ございます。──一たいここは霊界れいかいであるというのに、うしていろいろのもの実体じったいそなえているようにえるのです? 就中なかんずくわたし自身じしん依然いぜんとしてからだってるのが不審ふしんなりません。」

 先生。『それならたずねるが、人間にんげん何物なにものから成立せいりつしてります?」

 私。肉体にくたい霊魂れいこんより成立せいりつしてります。」

 先生。科学者かがくしゃはそれになんという定義ていぎくだします?」

 私。物質ぶっしつちからだともうします。」

 先生。『そのとおり。──それでひとぬるとその物質ぶっしつうなります? ほろびますか?」

 私。『イヤ物質ぶっしつほろびません、ただかたちをかえるだけであります。わたし肉体にくたい腐敗ふはいして土壌どじょうすると、それから植物しょくぶつ発生はっせいします。」

 先生。肉体にくたいはたらかせてちからうなります?」

 私。ちから霊界ここへまいります。それが霊魂れいこんございます。霊魂れいこんまたほろびません。」

 先生。よろしい。物質ぶっしつちからもともにほろびない。が、地上ちじょうのこしていた肉体にくたい生前せいぜん肉体にくたい何所どこちがったてんはありませんか?」」

 私。ちがったてんございます。」

 先生。てんちがいます? いまあなたが地上ちじょうって自分じぶん遺骸いがいたとすれば、しゅとして何所どこ相違そういしてるとおもいます?」

 私。肉体にくたい腐敗ふはいしますから、だんだん原形げんけいうしないつつあるものとぞんじます。かたちちがいます。」

 先生。ことによるとかたちはモーくなっているかもれない。ところで物質ぶっしつちからとはほろびないとすればかたちうなります? かたちほろびますか?」

 私。ほろびるでしょう。ほろびないという理由りゆうはないようにおもわれます。」

 先生。しからばおきしますが、あなたがかつおこした思想しそうかたちすこしもほろびずに霊界れいかい存在そんざいしたではありませんか? 思想しそうかたちほろびない以上いじょう、あなたの肉体にくたいかたちとてもほろびずにないでしょうか?」

 私。『そうかもれません。──しかし思想しそう形作かたちづくったわたし自身じしんいま霊界ここ存在そんざいする以上いじょうわたしのことをかんがえたものがわたしよりも以前いぜん存在そんざいしているはずだとおもいます。わたしってかんがえたからその思想しそうかたち霊界れいかい存在そんざいする。だれかがってかんがえたからわたしというものが霊界れいかい存在そんざいする! そうではないでしょうか?」

 先生。『そのとおりじゃ。たれかがあなたのことをかんがえたからあなたが出来できあがったのである。そのたれかがすなわかみじゃ。かみ思想しそうもってあなたを創造つくられた。それとどう筆法ひっぽうで、あなたもまた思想しそうもっもの創造つくる。──これであなたはなにさとりましたか?」

 私。かたちまた物質ぶっしつおよちからおなじくほろびないということであります。それからモー一つは、かみわたしかんがえて創造つくられたと同様どうように、わたしまたかんがえてかたち創造つくるということであります。」

 先生。『これであなたが最初さいしょはっした質問しつもんたいする答案とうあん出来できたではありませんか?」

 私。『そうかもれません……。わたし現在げんざい霊界ここるものはかたちである。わたし自身じしんまたかたちぎないから、それで自分じぶんおなじくすべてのものみな実体じったいそなえてるようにえる。………んな道理どうりかとぞんじます。しかし何故なぜわたし自身じしん実体じったいがあるようにえるのでしょう……。」

 先生。『そうえるのが当前あたりまえじゃ。霊界れいかいには物質ぶっしつまったい。」

 私。『それならしもわたしがこのかたち地上ちじょうもどったなら、自分じぶん非実体ひじったいてきであるようなかんじがおこるでしょうか?」

 先生。地上ちじょうもどってあなたは物質化ぶっしつかしますか?」

 私。『しません。するとあなたのッしゃる意味いみうでございますナ──わたし物質化ぶっしつかするのでなければ、たんなるかたちであり、ちからであり、物質ぶっしつとの比較ひかくきないと……。」

 先生。わかやすいように一つれいきましょう。しもここにひかりがあって、それをけむり真中まんなかいたとする。そうすればなにえます?」

 私。『もちろんけむりとおしてひかりえます。おそらくいくらかぼんやりと……」

 先生。ほのうなんです?」

 私。ちからです。」

 先生。『ただちからだけですか?」

 私。無論むろんほのうにはかたちもあります。」

 先生。けむりなんです?」

 私。物質ぶっしつかたちとです。」

 先生。『それであなたの質問しつもんたいする答案とうあんにはなりませんか?」

 私。『そういたしますと、先生せんせいッしゃる意味いみうでございますか──人間にんげん物質的ぶっしってき肉体にくたいとおして霊魂れいこんひかるのは、丁度ちょうどけむりとおして蝋燭ろうそくひかるようなものだと……。」

 先生。『そのとおり。」


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