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(上編)叔父さんの住む霊界

一 誕生日と命日

 ワアド叔父おじあたり、同夫人どうふじんちちであるLエルし(H.J.L)は一九一四ねんがつ午前ごぜん、その八十かい誕辰たんしんも っ歿みまかりました。しかるにワアドこれさきだつことやく箇月かげつ、一九一三ねん十二がつ初旬しょじゅん叔父おじぬるゆめをありありとたのであります。これがそもそもワアドに、にも不思議ふしぎなる幽明ゆうめい交通こうつうみちひらけたる発端ほったんであります。ゆめ示現しらせ叔父おじ急病きゅうびょうんだことからはじまり、それからだんだんその葬式そうしき模様もよううつり、自分じぶん自身じしんしき参列さんれつして光景こうけいさええるのです。そのときかなしいかんじ、またくやみに人達ひとたち言語げんご動作どうさの一さいがありありと同氏どうしむねふかきざまれて、めてからもえないのであります。で、はこのこと夫人ふじんのカアリィにけますと、それなら一しょにロンドン へお見舞みまいこうということになったのですが、生憎あいにく夫人ふじん病気びょうきになって、きめた当日とうじつ出発しゅっぱつすることがきないでしまいました。すると一がつ午前ごぜん十五分頃ふんごろ叔父おじんだという急電きゅうでんせ っしたのであります。そのときかなしいかんじ、またつづいて経験けいけんした葬式中そうしきちゅう出来事できごとは一箇月かげつ以前いぜんゆめ寸分すんぶん相違そういがないばかりか、かんなか永眠えいみんして叔父おじかおまでがゆめたのとそっくりで、きてときかおとは余程よほどことなっているのでした。叔父おじ葬式そうしきは一九一四ねんがつ執行しっこうされました。

 ところが、叔父おじさんがくたって丁度ちょうど日目かめ、一がつ十二にち月曜げつようばんにワアドまたもや叔父おじゆめたのであります。叔父おじかお生時せいじかおていて、しかし何所どこやらことなってる。わば生顔いきがお死顔しにがおとをちゃんぽんにつきまぜて半分はんぶんにしたようなかおなのでした。

 叔父おじさんはしました。――

 叔父。わたし最初さいしょカアリィに通信つうしんしてようとこころみたのじゃが、いくらっててもうまくかんのでこまった。最後さいごにおまえを見つけてっと成功せいこうした。カアリィにはおまえからよくいきかせてもらいたい――霊界こちらてからわし以前いぜんよりもずっと元気げんきがよくなり、頭脳あたま具合ぐあいなどもたいへんよくなってたと……。しかし近頃ちかごろわし勉強べんきょうすることが沢山たくさんで、まるで小学校しょうがくこう生徒せいとのようなものじゃ。きて時分じぶんにさっぱり信仰しんこうじょう準備よういをせずにったばちでナ……。わしところいずれも信仰心しんこうしんうすい、初心しょしん連中れんちゅうのみのあつまって境地ところじゃ。カアリィにもこのことはよくいきかせてもらいたいナ。

『しかし、いくらかましなことには、わしはこれでも多少たしょう信仰心しんこうしんっていた。さもないことには、あぶなくモー一段下だんしたくみ、つまり未信仰者みしんこうしゃ部類ぶるい編入へんにゅうされるところであった。わしきて時分じぶんに、人間にんげんなに信仰しんこうしたところでおなじことだ、などとよく呑気のんきなことをったものじゃ。しかし霊界こちらて、それが間違まちがいであることがよくわかった。そんなると、すくなくとも霊界こちらときおおまごつきをやる』

 ワアド。只今ただいまあなたはくみおっっしゃいましたが、一たいそれはなんのことでございますか?』

 叔父。『わしんでからはじめてったのじゃが、人間にんげんというものは、信仰しんこう程度ていどおうじて死後しごそれぞれのくみ編入へんにゅうされるのじゃ。くみにも教師せんせい一人ひとりづついてるが、その教師せんせいというものは、つまりむかしばなしにきかされた天使エンゼルたいなものじゃ。しかしいてある、あの莫迦ばかげたものとはよほど見当けんとうちがう。この教師せんせい私達わしたち不足ふそくして箇所ところ教育きょういくしてってくださるのじゃ。いよいよ出来できあがると、私達わしたちうえくみ進級しんきゅうし、したがって従来じゅうらいまったちがった人達ひとたちと一しょにされる。一たい自分じぶん毛色けいろのまるきり同一おなじなものと始終しじゅうかおをつきあわせてるほど退屈たいくつなことはない。うえくみくと、種類しゅるいがずっとえるからありがたい……』


五 著者からの来信

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