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死後の世界

 二 死後の世界

 ワアドこころみたる死後しご世界せかい探検たんけん紹介しょうかいするまえに、これにつきての概念がいねんここ紹介しょうかいしてくことが適当てきとうかとぞんじます。死後しご世界せかいもうしてもそれはきわめて概括的がいかってき名称めいしょうで、その内容ないようは千万別ばんべつ、とても人智じんち究極きゅうきょくかぎりではないようです。人間にんげん自分じぶん居住きょじゅうする地球ちきゅう表面ひょうめん物質ぶっしつ世界せかいをドーやら探究たんきゅうたのも最近さいきんのことにぞくします。いわんや現肉体げんにくたいもってしては到底とうてい接触せっしょくすべくもあらぬ無限むげんひろふか死後しご世界せかい――それがドーしておくおくまで探究たんきゅうすることがきましょう。従来じゅうらいこころみられたる霊界談れいかいだんなるものは、一ばん優秀ゆうしゅうなところで、ホンの霊界れいかい入口いりぐちってその内部ないぶにおいをいだだけです。ワアドのはなかなかそんなものではなく、驀地まっしぐらにその内部ないぶ突入とつにゅうして縦横じゅうおう無尽むじんけまわってるいてるのであります。

 ワアド探検たんけんたのは死後しご世界せかいうちだいかいだいかいとだけです。だいかいをアストラル・プレエン(幽界ゆうかい)とび、だいかいをスピリット・プレエン(霊界れいかい)とんでります。だいかいおくもしくはうえ)にはさらだいかいだいかい………だいかいまで存在そんざいするものとしんぜられてますが、だいかい以上いじょうにはワアド探検たんけんほとんどとどいてりません。

 さてワアド研究けんきゅうしたがえばだいかいだいかいともその内部ないぶ幾階段いくかいだんにもわかれます。だいかいすなわ幽界ゆうかいというのはあるい地界ちかいってもよく、つまり地上ちじょう人間界にんげんかいまでもふくめる物質ぶっしつならび半物質はんぶっしつ世界せかい総称そうしょうで、其所そこ居住きょじゅうするものの特色とくしょくことごとひとつの幽体アストラル・ボディってることであります。人間にんげんにも勿論もちろん幽体ゆうたいがある。みぎ幽体ゆうたい瞬間しゅんかんおい肉体にくたい分離ぶんりしますが、地上ちじょうることとおければとおきにしたがいて、ますます精練せいれんされ、浄化じょうかされてき、最後さいご物質的ぶっしつてきにはるのであります。幽界ゆうかい全体ぜんたいはすべて時空じくう司配しはいけ、一てい場所ばしょもあるようですが、しかし地上ちじょう物質界ぶっしつかい規則きそくどおりのみにもかないようであります。

 ワアド幽界ゆうかいななつのきょうけてます。すなわち、

 一、暗黒境あんこくきょう地殻ちかく極内部ごくないぶで、地獄じごくつる霊魂れいこん控所ひかえしょ)。

 二、薄明境はくめいきょう地殻ちかくのすぐ内部ないぶ兇悪きょうあくなる霊魂れいこんところ)。

 三、地上境ちじょうきょう現物質げんぶっしつ世界せかい)。

 四、夢幻境むげんきょう極微きょくびなる物質ぶっしつ存在そんざいする空想くうそう世界せかい)。

 五、執着境しゅうちゃくきょう地上ちじょう習慣しゅうかんれざる霊魂れいこんのとどまる世界せかい)。

 六、ちょう執着境しゅうちゃくきょう食物しょくもつ睡眠すいみんとう地上ちじょう習慣しゅうかん放棄ほうきせる霊魂れいこん居住地きょじゅうち)。

 七、大成境たいせいきょうだいかいすなわ霊界れいかいすすむべき霊魂れいこん居住地きょじゅうちにしてその幽体ゆうたいはなは稀薄きはくとなる)。

 幽界ゆうかいだいきょうだいきょうとう状況じょうきょうはワアドあとから発表はっぴょうした『サバルタアン・イン・スピリット・ランド』のなかきわめて巧妙こうみょう精細せいさいえがかれてて、しん実地じっち探検たんけんそむかぬものがあるとしんぜられます。

 ぎにだいかいすなわ霊界れいかいというのは幽界ゆうかい通過つうかしたるもの、わば幽界ゆうかい過程かてい卒業そつぎょうしたる霊魂れいこんはい世界せかいで、善霊ぜんれいにしろ、悪霊あくれいにしろみなその幽体ゆうたいうしなってります。その特質とくしつぐれば

 一、物質ぶっしつ全然ぜんぜん消失しょうしつしてること。

 二、空間くうかんまった存在そんざいせぬこと。

 三、時間じかんほとんど存在そんざいせぬこと。(ただ年代的ねんだいてき順序じゅんじょだけ存在そんざいす)

とうであります。すなわ霊界れいかい場所ばしょ名称めいしょうではなくしてむし状態じょうたい名称めいしょうであります。ですから霊界れいかいはいるということは場所ばしょからえばどう場所ばしょるのかもれないのです。霊界れいかいりては思想しそうがすべてであります。思想しそうそれ自身じしん形態けいたいして各自かくじえいずるのであります。物質ぶっしつ世界せかいりては思想しそう形態けいたいとのあいだ相当そうとう距離きょりがあります。たとえばこうつくった思想しそうおつという彫刻家ちょうこくかによって一の肖像しょうぞうするまでには、相当そうとう時間じかん努力ろうりょくようし、加之しかのみならず思想しそう実物じつぶつとのあいだ多少たしょう相違そういしょうぜぬともかぎりますまい。霊界れいかいりては思想しそうすなわ形態けいたいであり、実物じつぶつであるのです。

 ワアド探究たんきゅうによれば霊界れいかいの四つのきょうわかたれてります。すなわ

 一、信仰しんこう実務じつむごう一せるきょう

 二、信仰しんこうありて実務じつむともなわざるきょう

 三、はん信仰しんこうきょう

 四、信仰しんこうきょう――地獄じごく

 すでべたとおり、このつの区別くべつ無論むろん状態じょうたい区別くべつであって場所ばしょ区別くべつではありません。ゆえ趣味しゅみ性行せいこうことなればどう地上ちじょうにありても霊的れいてきには別世界べっせかい居住者きょじゅうしゃであるかもれず、これはんして趣味しゅみ性行せいこうおなじうすれば地上ちじょう人間にんげん死後しご世界せかいものとのあいだにも交通こうつう感応かんおう可能かのうであるはずであります。

 みぎの四きょううちしもの二きょうすなわち『はん信仰しんこうきょう』と『地獄じごく』とは、それぞれこれ代表だいひょうするところの二つの霊魂れいこん――叔父おじさんのLと無名むめい士官しかんとによってくわしく本文ほんもん紹介しょうかいされてりますからここかえ必要ひつようみとめません。ただうえの二きょうすなわち『信仰しんこう実務じつむごう一せるきょう』と『信仰しんこうありて実務じつむともなわざるきょう』とにつきてはくわしいことがまだ著者ちょしやによりて発表はっぴょうされてりませんから、しばらくその概念がいねんだけをここに紹介しょうかいしてきたいとぞんじます。

信仰しんこうありて実務じつむともなわざるきょう』――これは『はん信仰しんこうきょう』よりはずっとあかるく、なつ午前ごぜんごろ英国えいこくあかるさにるといいます。このきょうはいるものは信仰心しんこうしんつよいが、ただいくらか偏狭へんきょう頑固がんこで、そして信仰しんこうはありても実行じっこうはそれにともなない連中れんちゅうであります。このきょう最下部さいかぶ霊魂れいこん自分じぶんぞくする宗派しゅうは観念かんねんかたとらえられ、ややもすれば狭隘きょうあいなる団体だんたいつくりてそれに引籠ひきこも傾向けいこうがあります。その顕著けんちょなる弱点じゃくてん自分じぶん免許めんきょ退嬰たいえい保守ほしゅとで、眼界がんかい自分じぶんかれて環境かんきょう以外いがいほとんどびません。

 ただしもの『はん信仰しんこうきょう』をてこのきょうのぼってたものはこのしゅ弊害へいがいから脱却だっきゃくし、おおくは公平こうへい綿密めんみつにこのきょう見出みいださるる種々しゅじゅ信教しんきょう研究けんきゅうし、各教かくきょううちにつつまれた肝要かんよう真理しんりのみをそうとつとめます。

 ワアド肉体にくたいりてこのきょう状況じょうきょう通信つうしんした霊魂れいこんちゅうにPというのがあっていろいろ有益ゆうえき啓示けいじをしてります。なか面白おもしろいのは神々かみがみ沢山たくさん存在そんざいしてこれ崇拝すうはいするものの祈願きがんおうずるとべてあることであります。そしてPはエジプトのぼう神殿しんでんでオシリスしん出現しゅつげんしたこと、印度いんどぼう神殿しんでんでは軍神ぐんしんカルティケーヤが司宰しさいしてることとう報告ほうこくしてます。

 Pはまた信仰しんこう境域きょういきにある図書館としょかん模様もようべてます。此等これら図書館としょかんいづれもその規模きぼ宏大こうだいで、ほとんど都市としをあざむくばかり、そしてその内部ないぶは三わかれてるそうであります。だいには地上ちじょう消滅しょうめつした書籍しょせきばかりあつめてあるが、勿論もちろん部分ぶぶん地獄じごくほうってるから、それは地上ちじょうあらわれた全部ぜんぶ書籍しょせきではないのだといいます。だいには霊界れいかい出来でき書籍しょせきばかりあつめてあるが、地上ちじょう書籍しょせきとはおおいおもむきことにしてる。一げんにしてつくせばみな絵本えほんなのであります。すなわ思想しそう絵画かいがかたちもっしめされてるのです。だいほとんど書籍しょせきとして取扱とりあつかざる性質せいしつのもので、活動かつどう写真しゃしんのような一の心霊画しんれいがなのです。すなわおおきなへや舞台ぶたいのようなものをもうけてあると其所そこ事件じけんやら人物じんぶつやらが歴々れきれきあらわれて活動かつどうする。これ書籍しょせき……むし活動画かつどうが作者さくしゃとくにそれに任命にんめいされた学者がくしゃたち仕事しごとだということです。日本にほん青年せいねん霊媒れいばい後藤ごとう道明どうみょう出入しゅつにゅう往来おうらいかさぬる瑞景閣ずいけいかく模様もようなどをきいててもそれとたいへん類似るいじてんみとめられます。

 ぎに『信仰しんこう実務じつむごう一せるきょう』――これはほとんど何人なんびと死後しごただちにはいるというわけにはかぬようです。ここはいるものはたんつよ信念しんねんってるだけでは不充分ふじゅうぶんで、よく偏狭へんきょう精神せいしんから超脱ちょうだつし、なおそのうえ人類じんるいあい事実じじつうえ発揮はっきたものでなければなりません。ようするにその信仰しんこう実際じっさい行為こういうえにあらわれ、きてときから聖者せいじゃばれたひとでなければとてもその資格しかくがないようであります。

 したがってたいていの霊魂れいこん死後しご修行しゅぎょうをつんでからはじめてこのきょうはいってるが、そのあゆみはすこぶおそい。そしてはいってからも随分ずいぶん長年月ちょうねんげつあいだここにとどまらねばならぬようです。このきょう光線こうせん熱帯ねったい地方ちほう真昼まひるぐらいで、あまり進歩しんぽしていない霊魂れいこんはとてもあかるさにえぬといいます。

 いろいろの宗教しゅうきょうはだんだんうえ霊界れいかいすすむにつれてとう一されてきますが、ただしそのとう一という意義いぎはすべての教義きょうぎをゴチャゴチャにして混沌こんとん不鮮明ふせんめいなる信仰しんこうみちびくという意義いぎではなく、かく宗教しゅうきょうゆうする真理しんり部分ぶぶんだけをし、虚偽きょぎ部分ぶぶんてて、一だい組織そしきたい構成こうせいすることのようです。

 このきょう居住きょじゅうする霊魂れいこんしゅとしてその同胞どうほう就中なかんずく地獄じごくちてるものを救済きゅうさいすることに従事じゅうじし、間断かんだんなく其所そこりてくようです。十四世紀せいきんだアムブロースというそうはその一しんほとんどまったくこの仕事しごとにささげましたが、最後さいごにそののぞみがかなって『かべ』を通過つうかしてうえかいへとりました。そのさいかれ忠実ちゅうじつなる愛犬あいけんは、主人しゅじんあとい、敢然かんぜんとして『かべ』をけてき、同時どうじ一人ひとり婦人ふじん――それはかれ愛人あいじんであったが、そうであるがめに地上ちじょう結婚けっこんなかったのです――もともこれにつづいたといいます。

 さてみぎだいかいだいかいとをかぎる『かべ』ですが、それは一たいなんであるか?

 ワアドこれ明答めいとうあたえてません。ある霊魂れいこんはそれを『だい二の』とびます。そして人間にんげんおそれるごとく、霊魂れいこんのあるものはこれおそれますが、ただ人間にんげん不可抗力ふかこうりょくるのにはんし、だい二の霊魂れいこん自発的じはつてき覚悟かくごもとめられるのであります。

 だい二の霊魂れいこん形態けいたい影響えいきょうはするが、しかしこれめに霊魂れいこん実在じつざい破壊はかいさるるわけではないようであります。かべ通過つうかしてうえきょう居住きょじゅうする一人ひとり天使てんしがPにむかってのようにべてります。

だいかいりてあいだは、自分じぶん天使てんし姿すがたをしてるが、それは自分じぶんもと姿すがたではなく、また地上ちじょうにいたとき姿すがたでもない。ただそうしようとおもってその姿すがた創造つくるまでである。姿すがた自分じぶんおもとおりになる。動物どうぶつ姿すがたになろうとおもえばただちに動物どうぶつになり、火焔ほのおかたちになろうとおもえばただちに火焔ほのおになる……。いわゆる悪魔ディビルしょうするものにも、このちからそなわってるが、その秘密ひみつはこれより以上いじょうにもらすことはきない。かくかべ彼方むこうのことはききかすかぎりでないが、個性こせいうしなわれぬことだけは保証ほしょうする……。』

 だいかい以上いじょうのことはだいかい居住者きょじゅうしゃりてほとんど全然ぜんぜん不明ふめいであるらしく、また其所そこからくだりて守護しゅご天使てんしたちだんじて秘密ひみつもらさぬようであります。一人達ひとたちかべ通過つうかすると同時どうじ霊魂れいこんはモ一物質界ぶっしつかいもどりて復活ふっつかつするのだとしんじているようですが、それはかならずしも全部ぜんぶではないようであります。宇宙うちゅうかんはすべてで七つのかいわかれているとわれていますから、うえほうかいへズンズン向上こうじょうする霊魂れいこんかならず存在そんざいするに相違そういないとおもわれます。かべところから地上ちじょう復活ふっつかつめいぜられるのはおそらく下根げこん霊魂れいこんで、モー一地上ちじょうくだりて改造かいぞうようするものでありましょう。


1 ワアド氏の
人物とその霊能

目  次

3 著者が接したる
霊界の人物


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