心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第五巻

「人は死なぬ」(その一)

――フロレンスマリアット女史の記録から――

粕川 章子

はしがき

 日本の心霊現象は欧米と比べると神通現象に傾いて物理的現象は従来著しく少ない様に思われる。この物理的心霊現象の一つである物質化現象即ち幽霊現象の体験を極めて現実的に描写してある英国フロレンス・マリアット女史の著書「ゼア・イズ・ノー・デッス」(人は死なぬ)等は確に日本の心霊研究家にとって手近に獲難い多くの参考資料を提供している。この書は主に物質化現象を取扱ったものであるが、その以外に自動書記、霊言、霊耳其他そのほかの心霊現象にも及ぼして居る。しか此処ここには主として女史が他に#ぬきんでて恵まれた条件の下に、各種の交霊会において、数多の有力な霊媒を通じて生前の肉体に立戻った多くの霊を、親しくその肉眼に見その手足で触れる事の出来た、其時そのとき々の状況をこの書の中から抄訳する事にした。

 マリアット女史は著名な作家であり、その文芸的作品は多くの愛読者を有って居る。旧教信徒であるこの人は先天的に霊媒的素質をそなえて居たと見え、幼時よりしばしば暗中に幽霊の姿を見たとの事である。女史の父キャプテン・マリアットもまた海事小説家として天下に雷名を馳せた人であり、心霊的傾向を帯びた人の如く思われる。文筆の人とし芸術家として秀でた才能を有したマリアット女史が一面心霊研究家として勝れた体験をする事の出来たのも此等これらの素因に依る処があるのであろう。

 この書は今より約十年前西暦一千九百十七年に初めて出版されたものであるが、女史の最初の交霊会は一千八百七十三年(明治六年)であって、爾後じごの経験が年を追うて記述されて居る、記事の精確と内容の充実と相俟ちてたしかに斯界しかい有数の好著たるを失わない。

最初の交霊会

ジョン・ポールス


「人は死なぬ」

目  次

最初の交霊会


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第五巻第四号

発行: 1927(昭和3)年4月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 訳者・粕川章子氏の著作権は残存していますが、当サイトは御遺族の許可を得て公開しています。

※ 入力:いさお      2009年3月29日

※ 公開:新かな版    2009年5月2日


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