心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第五巻

ゴシップ

憑虚

 

□本年初めての大阪行

 一月二十二日には大阪の心霊研究会の月次例会が梅田新道の露天神社務所で開かれるというので、私はその前日の朝軽装して鶴見を出掛けました。私の大阪行きも随分久しいもので、昨年はたしかうして十二度ほど東海道を往復しましたが、今年もドウやらその轍を踏みそうですが、慣れて見れば汽車の旅も左ほど苦労にもならず、結構又利用の途もあるもので、私の原稿の一部分は実にうした東海道の汽車の中で出来上って居ります。

 二十二日の講演は私の外に今井、荒深(道太郎)の二氏が分担して四時頃に済みました。荒深氏は現在は籍を実業界に置いて居られますが元来国学の造詣深く、そして大正十三年頃から自然に霊媒能力を発揮した珍らしい方であります。昨年の暮近く本会々員となられたのが縁で、その際両三度私が審神者となりて同氏を鎮魂し、ある程度氏の能力を確かめました。非常に古るい時代の霊魂が懸っている方で自由に雅語を駆使してよく建国時代の日本国の状況などを説明されます。

 兎に角同氏の神がかりは相当手に入ったもので、心霊研究者に取りては多大の参考になりますので、この日一般講演の済むや否や同氏の神懸りを請い、会衆の参観に供することに致しました。審神者の席には例によりて私が就きました。

 氏がすっかり統一状態に入ったのは約三四分の後でしたろう。間もなく私の問に応じて神武天皇時代の日本国の形勢、土族の割拠状態等を低い声で、しかしはなはだ流暢に物語ったのでしたが、例の雅語の連発のめに筆記者は少なからず悩まされたようでした。今后五回十回と回数を重ねて行く中には相当纏った面白い記録が出来そうですが、当日はホンの参考までの実験に過ぎないので約一時間許で打ち切りました。兎に角近来うした現象があちこちにちょいちょい出現するのは確かに霊界がそろそろ活動期に入りつつあることを暗示するものでありましょう。

 荒深氏の神懸り実験が済んでからは、前回のとおり希望者を集めて私の所謂「静坐式統一法」の実修を行いました。場所が場所である上に、時間は僅かに半時間の修行に過ぎませんから刮目すべき現象はありませんでしたがそれでも一二の霊言現象などが起りて相当の成績を挙げました。兎も角もうして講演と実験と体験と、三拍子揃いで進行をつづけることができるようになったのは心霊知識の普及に貢献するところが決して尠少ではないと信ぜられます。

 

□近頃の岡崎万灯山

(三、二、八)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第五巻第三号

発行: 1927(昭和3)年3月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 入力:いさお      2009年3月1日

※ 公開:新かな版    2009年4月3日


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