心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第五巻

□普選

 △心霊研究と実政治との間にはドウもまだよほどの距離がある。現代政治家の金科玉条とするところは多く心霊科学者の擯斥するところであり、同時に心霊科学者の金城鉄壁と依むところは過半現代政治家の敬遠したがる点である。

 △極度に気まぐれな政治家と極度に迎合的な霊術家――両者の間にはあるいは時として変態性の野合関係が成立せぬとも限るまい。が、それはホンの一時のお慰みで、大てい両三年を出でないで離縁話が持ちあがる。

 △現に今回実施さるることになった普選、これなどもドウもまだ人為的斧鑿の痕があきらかに残って居て、日本神典の所謂天の安河原に於ける八百万の神達の会議とは大分趣がちがうようだ。んなことでは恐らく高天原も葦原中国も自から照明てりあかるくなるという訳には行くまい。

 △人間の仕事としては選挙の形式もむろんこれを無視することはできない。しかしながら普選をして真の普選たらしむべき無形の準備は一層必要である。誠の日本国は現在生息する七千万人の人間のみで組織している邦土ではない。その背後には開闢以来の神が居る、仏が居る、霊魂が居る。此等これらを勘定に入れない普選に何の普選の実があろう!(憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第五巻第三号

発行: 1927(昭和3)年3月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 入力:いさお      2009年3月1日

※ 公開:新かな版    2009年3月23日


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