心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第四巻

編輯室より

△今年の大寒のきびしさはまことに格別で、殊に裏日本方面の降雪と云ったら、きくもものすごい位であります。他方において流感が猖獗をきわめる。ことしの冬もなかなか越し易い冬ではありませんでした。はるかに会員読者諸氏の御健在をいのる次第であります。

△私もお蔭さまで毎日来訪者と筆硯と読書とに忙殺されつつ、頑健無事に消光しつつあります。しかし現在私の編輯室の置かれてあるのは百四十年前に建てられた、草ぶき屋根の老屋の一室ですから、従って防寒設備などは全く無く、火鉢をかかえる手先きがかじかむのには頗る弱らされつつあります。しかし、庭の草木と同じく、日本の心霊研究もんな霜雪の裡から芽をふき出す準備をせねばならぬのだと思うと、自から其所そこにたのしみがあります。――イヤ決して負惜みではありません。

△本号には中尾教授の著述にかかる『透視とその実例』を紹介して置きました。日本の心霊学界にもうした権威ある著述の現われはじめたことは、かえす がえすも御同様欣快きんかいの至りに堪えません。私の紹介は紙数に制せられて不充分でありますから、篤学の士は是非原書に就いて味読さるることを望みます。

△本号は割合に長い拙稿で場所をふさいでしまいましたので、立派な寄書の幾篇かを次号にくりのべるべく余儀なくされました。編輯の都合上止むを得ないこととしてもはなはだ残念であり、同時に又はなはだ相済まなくも感じます。イヤたッた四十八頁の小予算の使い分けは毎月なかなか気骨が折れます。成るべく早くもッと自由のきく時代にしたいものです。(二、二、一三、憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第四巻第三号

発行: 1926(昭和2)年3月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年5月15日

※ 公開:新かな版    2008年6月18日


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