心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第四巻

編輯室より

△第一月号を出すに当りて謹みて皆さまの御清栄を祝し、併せて平素の御芳情を深謝いたします。それにつきましても 聖上陛下御不例の報に今や全国は憂愁の雲にとざされてしまいました。赤子の分として、御互にあくまで謹慎のまことをささげ、一日も早く御悩みの薄らぎまつることを天地神明に祈願するばかりでございます。

お又世の中の不景気、人の心のすさみ方、昨今の日本国の状態は御同様痛心のきはみでご座ます。新春を迎うるに当りても、われわれは全く以て浮々した楽しい気分にはなりかねます。さりとて又いたずらに悲観の長大息といきをもらしたり、やぶれかぶれの棄鉢気分に陥ったりすることは禁物で、日頃心霊上の事柄に心を潜むるものの本領を発揮すべきはこんな時代でありましょう。

△ついてはわれわれはず個々の身心の浄化から始めねばなりますまい。精神も健全、肉体も元気、何事もそうなった上の問題であります。これを心霊学の立場から申せばつまり魔の手、悪霊の禍からの解放が先決問題であります。『魔』『悪霊』を単なる抽象的の譬喩談と考えたのは最早不穿鑿ふせんさくなる唯物時代の旧夢と化しました。迷信は極力排除せねばなりませぬが、正しき実験、正しき理論の上に立脚せる真信仰は極力樹立せねば日本国は闇となります。

有難ありがたいことには日本国には、この難局を切り抜けるべきまことの法、まことの人が随所に隠されて居るようであります。ただ時運というものは致し方のないもので、丁度春がめぐって来ねば花が咲かぬと同様、従来は社会の裡面にかくれてその存在さえもが知れず、却っていかがわしい人格の山師ばかりが得意顔に横行して心ある人士を顰蹙ひんしゅくさせて居ました。すべてこのいまわしき現状を破るのが恐らく今年からの大仕事でありましょう。

(一五、一二、一四、浅野生)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第四巻第一号

発行: 1926(昭和2)年1月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年4月25日

※ 公開:新かな版    2008年5月13日


心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第四巻

心霊図書館: 連絡先