心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

編輯室より

△これが今年の最終号であるナと思うと多少の感慨も浮びます。締切期日が近づく毎にいつも急いで取りまとめますので、毎月ほとんど意に充たぬことの連続です。書かねばならぬことを書かなかったり、さまで必要もない記事を載せて見たり、その結果は随分雑駁なものとなって読者諸氏に迷惑をかけることになりました。今回取りまとめて一年分のお詫を申述べて置きます。

△この一年間には熱心な会員諸氏から随分沢山貴重な玉稿を賜わりました。中にも有沢氏、木村氏、石塚氏、大野氏、岡田氏、秋山氏、關氏、保村氏、鈴木氏、谷口氏、高橋氏、角地氏、田中氏、其他そのほかまだありましょう。本誌が諸氏の援助がなかったらどれ丈寂びしいものであったでしょう。此等これら諸氏に対しても今取りまとめて一年分のお礼を申述べます。

お特にお礼を申上げねばならぬは宮下秋葉氏の小説『愛魂』のことであります。技巧の上から見れば多少の欠点は免れないとしても、全篇を通じて流るる真摯の意気感情、そして最新の心霊問題に対する深き理解同情、これはたしかに目下の日本の文壇に全然欠けて居るところを補充したもので、立派に一新生面を開いたものと言い得ると考えます。本号で全部完結になりましたが、何やら残り惜いように感ずるものは独り私一人ではないでしょう。私はここに同氏の労を深謝すると同時にその健在を祈りて止みません。

△兎も角も本年皆様にお目にかかるのはこれで最終であります。来年は日本の心霊界にどんな収穫があるか、又んな風が吹き起るか、今から予想の限りではありませんが、恐らく何か刮目すべきものがあることと考えられます。私も及ばずながらますます驚馬に笞って心血をこの道のめにささげる覚悟で居ります。切に皆様の御声援、御協力をお願い致します。(十五、十一、十、憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第十二号

発行: 1925(大正15)年11月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年3月20日

※ 公開:新かな版    2008年4月27日


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