心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

ゴシップ

浅野憑虚

□ 『霊媒としての私の経験』

 目下ロンドンでは、かの人気雑誌の『テイット・ビッツ』 Tit-Bits. 誌上にレオナルド夫人が『霊媒としての私の経験』と題せるつづき物を載せるというので評判であります。それは十月九日から載せられるそうで、右に就きて同誌の主筆クロコムブ氏がその抱負を発表して居ります。――

いよいよ天下の新聞雑誌が霊魂説の主張に真面目な注意を払わねばならぬ機運がめぐって来たと考えます。従来普通の新聞雑誌は霊魂問題又は心霊問題といえば全然それを握りつぶすか、それとも又先入的偏見を以てそれを愚弄の材料に供するか、大概そんな筆法ばかり執る癖がついて居ましたがモーそれは時代遅れとなったと思います……』

 その言っているところは当り前のことですが、んな真剣な叫び声が『テイット・ビッツ』の記者から発せられようとは誠に意外で、成るほど時節の力はひどいものだと感ぜられます。氏はお書きつづける。――

『レオナルド夫人の自伝が大に心霊党の人達の興味をそそるべきは明瞭でありますが、その他の人達でも死後の生存並に幽明の交通に就きて、内心ひそかに心を苦しめている人は相当多数に上りましょう。彼等は真面目に霊魂問題を論ずると人から変りもの扱いを受けると大変だと思って、それで鼻のきでせせら笑ったような態度を取ることを安然だと考えて居るのです。豈に図らんやあらゆる階級の男も女も沢山立派な霊魂信者であります。バアレット卿は言って居りますどんな人でも自分がこの問題にささげたの数丈の時間をささげてくるれば請合って霊魂信者に改宗すると。兎に角レオナルド夫人の率直真摯な経験譚はすべての人を楽ませつ益するところがあると信じて疑いませぬ。』

 さすがテイット・ビッツの主筆先生、なかなか穿ったことを言って居ます。これを読んで耳の痛いのは独りイギリス人ばかりではありますまい。先生おつづいて気焔をあげる。――

『私は決して自家広告をする訳ではないが、本誌はいつも週刊雑誌中で先手を打って来ました。いつも本誌で創めたことを他の諸誌が真似をする。有名な霊媒にたのんでその自伝を書かせるということも矢張り週刊雑誌中の先頭で、霊魂信者達は疑いもなくこれが広く他の刊行物によりて模倣さるることを希望して居るに相違ない。――終りにのぞんで附言しますがレオナルド夫人はこの寄稿の報酬を一厘も手に入れず原稿料全部○○○ ポンド)』を慈善事業に寄附されます。』

 最後の一節は主筆の気焔でなくして、事実の報告であります。しかしこの報告は主筆の気焔よりも遥かに難有ありがたい 。

 

□ 愛児を亡くした人

□ 『みあと慕いて』


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第十一号

発行: 1925(大正15)年11月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年3月21日

※ 公開:新かな版    2008年4月28日


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