a 心霊と人生・第三巻・第十一号 「ゴシップ」 □ 来るべき世界の大暴れ!

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ゴシップ

浅野憑虚

□ 来るべき世界の大暴れ!

『オッカルト・レヴュウ』誌の八月号を繙いで見ると『来るべき世界の大暴れ』 The Coming World-storm. という標題がず眼にはいる。筆者はウォルタア・ウインという人で、『今後はドウなるか?』『きの大戦とぎの大戦』其他そのほかの著述を以て相当名を知られて居る人であります。

 私は何の気なしに数行拾い読みをして居る中にずこの筆者の鼻息の猛烈なのと自信力の強大なのとにびっくり仰天してしまったのであります。――

何誰どなたでも私の議論に間違のあることを指摘してくださるものがあったら大に感謝します。が、過ぐる五十年間の精緻なる研究の結果私はあくまで聖書の予言の正確無比なることを確信して止まぬものであります。聖書の予言は炳乎へいことして日月の如く数千年に亙る世界の推移を指摘して一点の虚偽なく、一毫の不明の個所がありません。聖書が神の啓示であることは最近十年間の顕著なる実績に照らしても何等疑惑の余地がないのであります。同時に驚嘆に値するは埃及エジプトのピラミッドの指示する啓示の正確なことであります。ピラミッドを単なる一個の墳墓と見做みなす愚説は根柢こんていから覆されました。ピラミッドは神の黙示である。完全なる石の聖書である……。』

 一の正確なる未来記としての聖書並にピラミッドの真価――これが近年一部の学者間において真面目なる研究の題目となりつつあることは皆様も恐らくつとにお聞き及びになって居られるでありましょう。ウイン氏はそれ等の研究者中の花形である丈、書くことがいかにも露骨で、無遠慮で、気の弱いものを気死せしむるに充分であります。筆者お書きつづける。――

『コナン・ドイル卿は、自分にはバイブルの年代計算法、ピラミッドの神秘的意義又は星卜学の予言等ははっきり判らないと述べて居られるが、われわれ同人は前記の二つを精査討究の結果、到底疑惑の余地なきまでに正確なる科学的見解をっているのである。ヘブルューの予言者と埃及エジプトのピラミッドとは過去に於ける欧州並に世界歴史の主要なる出来事を明確に指摘し、加之しかのみならずに来らんとする世界の難局が何年何月を以て始まり、何年何月を以て終るかを指示して決して誤りなきことを証明し得るのである。ダニエル書、黙示録、並に大ピラミッド――この三つのものには全然虚偽がない。この三つのものに示されたる天文上の予言は、その九分九厘までそっくり実現して居る。恐らく残る一厘も間違なく実現するであろう。兎に角時が迅速に証明する。ピラミッドの象徴によれば一九一八年十一月十、十一日から一九二八年五月二十九日迄が混沌たる休戦時代であり、そして一九二八年五月二十九日以後一九三六年九月十五日、十六日迄が猛烈なる大禍難の時代であるのです。それからきがキリスト出現の時代である……。』

 お筆者はピラミッドの建設者が近代の学者よりも遥に優れた識見を有して居たことの証明としてガリレオ以上に天文学上の精緻なる研究を遂げて居る事実を散々列記して居ります。『フラマリオン ポールなどはピラミッドに比して幼稚園生徒である。現代の最も精巧なる機械を以てしても太陽地球の距離は小数点までは判らないがピラミッドにはチャンとそれが示してある。しからばピラミッドは何人が建造したか? 無論それは神である。聖書の予言は何人が発表したか? それも無論神である。誤謬の個所だの、不明の個所だのが絶無であるべき筈だ。但しピラミッドや聖書の真意義は俗悪なる徒輩にはもちろん判る筈がない……。』

 常識からいえば正に途方途徹もない放言としか思われませぬが、しかしこれに対する最後の判決は、時節が到着するまで何人にも下し得ようもない。あまり遠い未来のことでもありませんから、一つお互に気を長くして、その成績を待って見ることに致しましょうか。

□ 骨粉肥料


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第十一号

発行: 1925(大正15)年11月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年3月18日

※ 公開:新かな版    2008年4月21日


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