心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

編輯室より

△十月の中旬には京阪方面の会員諸友から来遊を勧められたので、仕事を繰り合わしてこれに応ずることになりました。そのめに今回の編輯はいささか取急いで纒めてしまう必要が起り、折角寄せられる筈の玉稿を次号に廻わさねばならぬ破目に陥りました独りきりの編輯へんしゅうにはんな困難が伴います。

△関西の小旅行位なら何んとかして繰り合わせてもいきますが、少し長びく仕事、例えば込み入った心霊事実の実地討究でもやらねばならぬ場合には想いやられます。心霊問題はかならずしも書斎の内部、実験室の内部だけの仕事とは限りません。どんな拍子にんな必要が降って湧かぬものでもないようです。――もっともそうなれば初めて真の力瘤が入る訳で、その際の工夫は便宜上何とかつきましょう。取越苦労には及ばぬことでしょう。

△来月号からはモ少し心霊講座の頁数を殖して、できる丈早く最近数十年間の心霊研究の総決算をしたいと考えて居ます。近く宮下秋葉氏の小説愛魂も完結をつげますからそれに宛つる紙面には欠乏を感ぜぬことになりましょう。何にしろ材料が相当沢山ありますから、それを手際よくまとめるのに一と骨折れます。はたして所期通りにうまく行くかうかいささか心配です。

△何やら時代が急速に進展し、至難な問題が続々世上に現れつつありますから、心霊研究の方でも愚図愚図して居られそうもありません。我田引水と言われるか知れませんが、実際問題解決の秘鍵は心霊の領城外には発見されぬものと私どもは確信して居ります。何となれば物質の世界はつまり心霊の世界の映写に過ぎませんから。……。

(一五、十、十)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第十一号

発行: 1925(大正15)年11月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、章毎にページを分け、箇条書きに改行を加え、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2008年3月18日

※ 公開:新かな版    2008年4月23日


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