心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

霊夢で仏像発見

雲州平田の郷士として宏大なる財力と権力を有し地方を風靡し時めきた儀満家も、本春暢園主人の死歿と共に今は法定の相続人すら見当らざるの悲運にある様なるがかくてはならじと、家中の末子正吉氏がさきに帰郷し亡父の弔いと家事の整理中であるが、この中突如世にも稀なる浮焔壇金の日蓮上人の座像が金色燦然として古文書と共に発見されたので、現時引も切らぬ参観人で門前雑沓を極めて居るが、仏体及由緒古文書は左の通りで、来る十三日より三日間公開参観に供する筈である。

仏体(焔浮壇金日蓮上人尊像)

重量 二十一匁八分

座像 高さ九分二厘

井桁に橘の定紋ある黒塗小箱に安置し仏像背面に日件の銘と下面に南無妙法蓮華経の文字巧妙に彫刻せられある日蓮上人笑頭の座像。

記録

【第一】

正慶二年癸酉五月二十日鎌倉赤橋治郎兵衛時親討取候処兵法秘書所持居申に付首霊大将新田義貞に供けし実験にはこの書並に内兜之御守日蓮像某江給依之家に伝置者也。

 大井田左衛門重利(書判)

 大井田田面之助政重(書判)

右につき正吉氏は語る。父暢園は平素仏壇に親しむことを好まざりしものの如く掃除等も兎角等閑勝であったので、斯の如く仏像が所蔵されて居る等は無論承知して居らなかったのですが、この中炬燵に身をよこたえてウツラウツラとして居ると、仏壇を掃除せよ浄めよと何物となくしきり慫慂しょうようを与えられたので、叮嚀ていねいに掃除を行ったのであるが、図らずもかくごとき尊像を発見するに至ったのである云々。

(松陽新報一五、四、六)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第六号

発行: 1925(大正15)年6月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年12月18日

※ 公開:新かな版    2008年2月10日


心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

心霊図書館: 連絡先