心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第三巻

編輯室より

△私は不相変あいかわらず頑健で楽しくその日その日を送っていますが、先月から今月にかけてのように実験攻めに逢ったことはめったにありません。第一あの四年越しの宿題たる品川氏の物品引寄の霊術。あれがほぼその真相のつきとめられるまでには夜を日についで転手古舞てんてこまいを致しました。遺憾ながらその結果は予想に反してはなはだ消極的でありましたが、ドーせ一度は彼所あそこまで行かねば永久の疑問の種を残す訳で、まず結構なことと歓んで戴かねばなりません。

△品川氏の問題が形附かぬ中から私は本誌所載の横森かね代女の身に搦まって起った興味甚大なる心霊現象の調査実験に忙殺されました。イヤ現在もまだその途中にありますので、近頃甲州まで行ってしらべて来ようとしています。これが片付く[#「片付く」は底本では「形づく」]までは相当の時日と苦心とを要することでしょう。

△それやこれやで、たッた一個しかない躯では思うように手がまわり兼ね、心ならずも四月号の編輯は予定より一週間も遅れました。これでも二た晩ばかりはほとんど徹夜したような次第であります。しかしお蔭さまで私の躯は虐待すればするほど調子がよいのですから御安心を願います。よほど労働向きに出来上った人間なのでしょう。

△幸い近い中に私のもっとも尊信する人で献身的にこの雑誌の編輯を来り援けようとする人が、これも不思議に甲州から現われました。来月号あたりからそろそろその人の色彩が加わって行き、読者諸氏に御満足を与えるだろうと思います。但しその姓名の発表はモーしばらくお預かりに致します。

(三、一四、憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第三巻第四号

発行: 1925(大正15)年4月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年8月31日

※ 公開:新かな版    2008年1月21日


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