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世界心霊大会の概況

一九二五年九月六日より仏国巴里パリおい

 本年九月六日の日曜に世界心霊大会が開催されました。代表者を派遣した国が合せて二十八ヶ国、五大州に跨って居ります。即ち――

南阿、独逸、英国、白国ベルギー、ブラジル、キュバ、コスタ・リカ、デンマルク、スペーン、北米合衆国、仏国、希臘、和蘭、ハンガリィ、印度、印度支那、伊太利、墨国、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スウィッ スランド、チェコ・スロヴァキア、

等の各代表者であります。遺憾ながら日本からは一人の代表者も臨席して居ません。次回あたりから是非その運びにしたいと思いますので、ここに兎も角もその大会の状況を報道して、識者の御考慮を煩わすことに致します。

 世界心霊同盟会の秘書リイペル氏ず立って歓迎の辞を述べ、各代表者を会集に紹介し終ると、有名なる仏国戯曲作家アルバン・ヴァラブレェグ氏が弁士の皮切り役を承り、仏国知名の心霊学者の功績を述べ、又ジュアン・メエル氏が当日の会場となれる美麗なる建築物を造営して仏国心霊界に寄贈したことを表彰しました。これにぎてはリオンのメルツソン氏、南阿代表のコナン・ドイル氏、ドイツのブローズ氏、印度のリン氏そのほか十名許の弁士が各々感想なり、所見なりを熱心に吐露しました。

 それから左の四方面から心霊問題を研究すべき事が議題に上りて意見の一致を見ました。四方面とは――

(一)現象――霊媒を用いて得らるる諸種の実験及び証明の記録。

(二)教理――霊魂の存在、復活、向上、再生等の諸問題の研究。

(三)教育哲学――心霊研究が科学、道徳、宗教、社会、文化等に及ぼす影響。

(四)宣伝――これに関する組織、発表の方法、統計等。

 この四綱目の分け方は大体妥当と考えられますが、われわれが東洋で是非遂行せねばならぬと感ずるものは他にもまだ少し存在するようです。例えば実社会に於て偶然に発生した心霊事実の蒐集並に記録の作製の如きがそれであります。欧米ではこの方面において余程整理されていますが、東洋ではほとんどまだ手が着けられて居りません。日本、朝鮮、支那、印度等の貴重なる活事実がれ丈湮滅いんめつしてしまって居るかは全く想像の外で、人類発達の途上に於ける大損失であります。日本の心霊研究者としては一日も愚図グズ愚図グズしては居られないような気が致します。

 一と通り挨拶なり、相談なりが済んだ時に会衆は階下に陳列されたる心霊研究参考品の見学に案内されましたが、参考品数は一千点以上に達し、斯道のめに宣伝したる先覚者の写真又は肖像画、心霊上の稀観書、霊書、霊画、物質化せる幽霊の手足の臘型、霊衣オーラの写真、幽霊写真、引寄せられた物品、そのほか種々雑多で、幾時間見物しても倦きの来ない大蒐集だったと言うことです。



底本: 雑誌 「心霊と人生」 第二巻第十二号

発行: 1924(大正14)年12月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年7月19日

※ 公開:新かな版    2007年11月2日


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