心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第二巻

編輯室より

△いよいよ本年もこの十二月号でお仕舞です。暑い暑い盆の時節に始まって寒い寒い年末に達する六ヶ月間の編輯室――私に取りてはいつも落付いた気分の出ることがすくなくてはなはだ閉口しました。会員並に読者諸氏の方ではさぞ御不満の点が多かったことと顧みて恐縮の至りであります。

△しかしお蔭様でこの期間に日本に於ける心霊研究のしっかりした種子は立派におろされました。心霊研究の発芽はこれからです。来年中には皆様の御援助により是非とも立派な収穫をあげて驚くべき欧米の斯界しかいの最近の発達に優るとも劣ることのないようにしたいと切望して居ります。

△それにしてもこの際われわれは全く安閑としてばかりは居られません。心霊の基礎を度外視してヤレ思想はドーだの、文芸はコーだの、宗教はアーだのと枝葉の議論をくりかえしている国土は日本以外にはモー何所どこにもありません。これは主としてわれわれ心霊研究に従事する者の責任に帰せねばなりません。われわれの熱と誠とが足りないから霊界の活動が鈍い。霊界の活動が鈍いから一般の精神界の空気が緊張しない。んな状態をつづけて居た日には日本国は何所まで沈淪するか知れたものでない。本年の最終号を出すにつけて私は深い深い沈思に耽らざるを得ませぬ。

△終りにのぞんで私は切に皆様の御健康を祈り、併せて今後の御奮闘を望んで止みませぬ。(憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第二巻第十二号

発行: 1924(大正14)年12月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年7月19日

※ 公開:新かな版    2007年10月17日


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