心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第二巻

(巻頭言) 群雄割拠時代 

△現代の日本は精神的にはたしかに群雄割拠の戦国時代である。政治界がソーである。宗教界がソーである。実業界がソーである。文芸界がソーである。思想界がソーである。おのおの覇を唱えて相下ろうとしない。心霊界だってその選に漏れる筈がない。

ず各地に霊術家をもって任ずるものが沢山輩出している。身心鍛錬、成功致富、福利増進、霊術伝授、運命判断……。その声明する所はあくまでも立派である。同時に心霊研究を目標として旗幟きしひるがえすものも昨今に及んで急に殖えた。関東にも関西にも幾つもある。本会もむろんその中の一つである。

△割拠時代ということはつまり実力の試験がまだ済まずに居るということを意味する。各々精一ぱい、力一ぱいの所をやってやってり抜いた後で、初めて本当の相場がきまり、安定ができる。今のところではどれが良いのか悪いのかさっぱり見当が取れないから割拠するのが当然である。

△言うまでもなく心霊の研究には一方に善き霊媒、他方に真面目な研究者がなければ到底駄目である。両方がピタリと焦点を合したときに初めて見るべき成績が挙げる。人格と力量と二つながら兼ねそなわった立派な霊媒と研究者とが何所から出現するかは全然Xで、今後の実績に徴する外に道がない。繰りかえしていうが目下は群雄割據の時代である。


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第二巻第十号

発行: 1924(大正14)年10月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年7月9日

※ 公開:新かな版    2007年9月4日


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