心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊と人生・第二巻

編輯室より

△八月の廿日はつかに瀧川君から電話がかかって、露国のゼーゲル夫妻が帝国ホテルに来ているから一度お出でを願いたいとの事に、早速同日の午後単身出掛けて行って面会を遂げました。しかし先方はロシア語しか知らんというので痒いところへ手の届かぬ憾がありました。他に主婦の友の記者だの、朝日の記者だのも来合わせましたが、いずれも大弱りでした。

△その晩私は華族会館で実験を見ました。花井博士だの、松村博士だの、そのほかちょいちょい知った顔を見受けました。ゼーゲル夫人の品物当てはまことに鮮かで拍手が盛んに起りました。しかしいかなる作用でんな芸当が詐術でなしにできるのかという段になると多くの方々は頗る戸惑いの様子で、ちょいちょい幼稚な疑問があちこちに交換されるのを見出しました。私は日本の心霊研究も前途容易でないと感じました。

△下館の梶山哄甫氏の夫婦は八月下旬小生の事務所に御来訪くださいまして、是非心霊療法の実験を試みて貰いたいとの懇望でした。いろいろ伺うところによれば梶山さんは今春以来幾件かの不治の難症を見事に平癒せしめたとの事で、余程よほど確乎かっこたる自信を得られたように見えました。私の方では東大医科の杉田博士にでもお依みして実験して貰おうかしらなどと考え中です。次号あたりであるいは面白い報告ができる事になるかも知れません。(憑虚)


底本: 雑誌 「心霊と人生」 第二巻第十号

発行: 1924(大正14)年10月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ 入力:いさお      2007年7月12日

※ 公開:新かな版    2007年9月19日


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