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評壇

▼神童の霊的研究▲

 北海道札幌に三才の神童が現われて、昨今しきりに新聞紙上をにぎわして居る。(詳細は別稿参照)。が、その報道記事や、何々博士とかの神童論やを通読するに、相変らず十年二十年の昔と大した相違のない言葉や説明でお茶を濁して居る。曰く神童、曰く天才、曰く早熟。こんな文句は、チョンまげ先生でも知って居る。

 今少し、神童の研究に深みを増さねばならぬ。それには遺伝学や、精神分折学や、変態心理学やの比較的新しい学問の上からの研究がヨリ多く加味せられて行く必要があるが、更にこれには心霊学上からの研究もまた是非共ぜひとも附加つけくわえられねばならぬ。な、心霊学の研究対象としては、神童研究は好個のものであると共に、神童研究は心霊学の力に依って従来未だ試みられず、つ又見出し得られなかった実験及び理論が発見せられるのである。

 別稿『神童現わる』中に述べてある通り、神童は一種の霊媒能力者と見ることが出来る。実は、天才、偉人、聖賢等の如く異常に傑出した人士は、広き意味において霊媒である、すくなくとも霊媒能力の異常に傑出した人々である。この事は、既に心霊学上から充分説明の出来ることで、少しく斯学しがくに志した人々には直ちに頷かれる。

 神童はすなわち少年霊媒と大体において言ってよかろうと思う。心霊研究史の語る処に従えば、少年霊媒にして、教わらぬ絵を立派に書き、あるいは聞き馴れぬ外国語を完全に話し、六ヶむずかしい書物を堂々と読むとうがごとき実例は幾多も存在して居るのである。此等これら少年霊媒の研究こそ、神童研究に一すくいの新味を加え一層の深度を増すものとしょうきである。くて、心霊学の原野は学界にも、社会にも刻々に拡がり行くのではあるまいか。


底本: 雑誌 「心霊界第二巻第六号」 

発行: 1924(大正14)年6月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2007年 月 日

※ 公開:新かな版     2007年7月4日


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