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卓子浮揚現象(四)

クローフォード博士 (W. J. Crawford 1921) 著

クローフォード博士によって行われたる実験と理論

(十三) 卓子を支うるものは何か?

 卓子が空中に浮揚安定の状況を観た時に、実験者に当然起る所の疑問は、

 『如何いかにして卓子が支えらるるか?』

ということであります。何等物質的のものが支えて居るのでないことは明瞭であります。何となれば、卓子の上下、並に周囲には誰が見ても何等なんらこれを浮揚せしむべき材料が絶無なからであります。そこでこの謎を解くべく、私はできる丈綿密の調査を進めたのですが、それには現在の物質科学が供給し得る限りの一 切の手段を講じたのであります。

 浮揚せる卓子の上部――私には浮揚せる卓子の上部が、この現象と何等無関係であること、よしありとしても附随的性質のものであることが明白であると感じられました。この結論に到着せる理由は左の通りであります。――

 (一)実験者は円座の内部に入り、上から卓子を掴んだり、卓子の上に、坐ったり、その他いかなることをしても、それが卓子の上面に限られて居る場合には浮揚現象に故障を起さぬこと。

 (二)なり強烈なる閃光を卓子の上部に浴せても浮揚現象に故障を起さぬが、これを卓子の下部に行えば直ちに墜落すること。

 霊界の人物達も、卓子の上部に対してははなはだ解放主義で、手だの、品物だの(例えば懐中電灯など)を載せることを決して禁止しないのであります。

 浮揚せる卓子の周囲――卓子の周囲で実験者が横切ることを禁止されて居る唯一の場所がありますが、何でもないそれは霊媒と卓子との中間部であります。私自身は卓子浮揚中に円座の内面に入り、卓子の他の三面を歩きまわったことは何回だか知れません。見物人も同様の自由を許されますが、ただ卓子対霊媒の前面のみは禁物なのであります。見物人に対して普通与える所の注意はうです。――

『円座の内部なかにおはいりください。そして御随意にうえから卓子をつかんで、おさえつけてください。何所どこへ行っても構いませんが、ただ霊媒の正面だけはけません……。』

 ですから浮揚する卓子の周囲の中で、絶対に肝要なる唯一の地点は卓子と霊媒との中間であることは明白であります。実は厳密に云えば卓子と各座員との中間の全体が多少の価値を有するのです。無論それは附随的のもので普通その影響は僅少ですが、しかし空でない。時とすれば、霊媒の前面よりも却ってこの部分が霊界の人物達によりて使用さるることが絶無でないことはきへ行ってから判ってまいります。

 卓子の下部――卓子浮揚並に運動に関しては卓子の下部が最も重要であることは何等疑惑の余地がない。これは幾多の実験から帰納されるのです。

 結論――以上のべる通り、卓子浮揚に真に肝要なるは霊媒と卓子との中間並に卓子の下部であり、他の部分は附随的価値を有するか、若くは無価値であるのです。

 実験(十一)――これは浮揚せる卓子の上面並に下の段になり強烈な光線を置いた実験です。使用したのは懐中電灯で、そのレンズには赤色薄葉数枚を貼りつけてある。所が、卓子浮揚中約一分間これその上に載せて置いても何の妨害にならなかった。が、他の場合において、浮揚開始前に赤色薄葉二枚で包める懐中電灯を卓上に載せて置いて試みたが、それは不成功に終りました。それは電灯が明るきに過ぎ、且つその光が霊媒に直射して居たからです。大体において、小さな集中せる光線が霊媒の附近にあれば現象を妨ぐるようです。これに反して少し遠方の光線で、それがバッと拡がって居ると妨害にはならぬようです。又懐中電灯が直立して居て、浮揚現象が起らぬ場合に、若しそれを横倒しにして光線が霊媒に直射せぬようにすると、即坐そくざに浮揚が始まり、しかも永く持続するのです。卓子には下段が附いて居り、それは床上約九インチの高きによりますが、私はかつてそれに懐中電灯を横ざまに置き、光線が霊媒に直射せぬようにして試みました。それでも浮揚現象は起りましたが、しかし卓上に置いた場合よりは開始に骨が折れる模様が見えました。して見ると霊媒のからだの下半部がこの現象に大関係があるように見えます

 実験(十二)――これは卓子の下部にる物体を置いた場合に如何いかなる影響を生ずるかを発見するめの実験であります。普通の実験用卓子を用い、それがシッかり浮揚した場合に、私は高さ八インチ半許の衡器をその下にゆるやかに挿入して見ました、無論衡器のいずれの部分も卓子とは接触せず、衡器の皿と卓子の下面とは一八インチ許離れて居ました。すると卓子はバタバタと羽搏はばたききしてきずつきたる鳥のようにおもむろに床上に落ちました

 結論――衡器によりて奪われたる空隙が浮揚の一要素に相違ない。要するに浮揚現象は卓子の下面に加わる一種の上昇力の作用に相違なく、又卓子下のいくらか床に近い部分がこの現象を起すに重要なる要素であるようです。

 一般的にいうと、良好なる現象を起すめには、卓子下の空間は室内の他の部分よりも比較的に暗くして置く必要があるのです。これは大型の卓子にありては自然にそうなります。それにしても卓子を上昇せしむる力の種類並に位置は何か?――それを発すべく私は幾多の実験を重ねたのであります。

 実験(十三)。――これは手を以て浮揚せる卓子の脚の下を探った実験です。若しも上昇力が単に四本の脚にのみ加わり、卓子の下面に加わるのでないとすれば、各脚の上昇力は(10・1/2÷4)LB. すなわち二ポンド半である訳です。故に一脚の下に手を挿入すれば二ポンド半の圧力が手に感ずる筈です。私はそれを試むるべくてのひらを上向きにしてかわるがわる各脚の下に挿入し、数秒間づつ静止して見たのですが、この実験の結果は全然否定的でした。圧力も感じなければ又浮揚に何等の影響を生じませんでした。

 実験(十四)。――これは手や腕を以て浮揚せる卓子の下部を撮った実験です。若しも浮揚現象が卓子の下面全体に平均にかえらるる上昇力の結果でありとすれば、その力は僅少で、一平方インチにつき・○二五ポンドに過ぎぬ筈です。私はてのひらを上にして、卓子の下部の各所にさし入れ、る時は床につけたり、又る時は卓子の下面につけたりしました。が、何所へやっても何等の圧力を感じませんでしたが・○二五ポンドの圧力は僅少ですからそれは驚くに足りません。

 前二回の実験から推定するに卓子の上昇がその四脚に加えらるる力の結果でないことは明瞭であり、ドーしても平均した上昇力の結果に相違ない。それなら何故それが手又は腕に感ぜぬかというに、それにはぎの理由が数え得ると思います。――

 (一)、上昇力は量において余りに僅少である。

 (二)、上昇力は現存はするが、手又は腕よりの放射線のめにわきれ、それだけの上昇力は少しづつ他の部分に平均して加わるので、その結果卓子は依然として浮揚をつづける。

 実験(十五)、――これは浮揚せる卓子の下部を気圧計で量った実験であります。使用せる気圧計はU状玻璃ガラス管を装置せる普通のものですが、若し卓子の下部に一平方インチにつき・○二五ポンドの平均上昇力があり、そしてその圧力が一種のガス状のものでありと仮定すれば、卓子の下部もしからざる部分との間に気圧の相違が発見さるる訳であります。ところが、種々の位置に就きていくら試験して見ましても気圧計には何等の兆候を認めない。これで卓子の浮揚は何等かの流動体の静的圧力には基因しないことが分明にされました。

 此等これらの実験を試みた結果、私は「ゆかの上に直接の反動作用がありはせぬだろうか?」というかんがえに捕えられました。後で考うれば、これは一の謬想びゅうそうで、浮揚現象は全然他の装置で行われて居ることが判りましたが、その当時は一心にその実験に従事しました。

 実験(十六)、――これは右の疑問を解決せんとした実験で、それには私の考案にかかる電気呼鈴べる装置を用い、極少量の圧力が上から加わりても直ちに呼鈴べるが鳴るようにしてあります。図は実験の概要を示したものです。

図

 所が卓子の下部に気圧の位置をう置き変えて見ても呼鈴べるは嗚らずに終りましたので、床の上には何等の圧動作用がないことが明瞭になりました。これは推理上はなはだ重要な参考資料であります。

霊界の人物には呼鈴を鳴らす力は充分あるのです。現にその夜も私は実験後先方に向って、普通の叩音の代用として右の呼鈴を使用して相図をしてくれと請求しましたところが、直ちにそれが実行されたのを見ても明瞭であります。卓子浮揚中に、若しはたして下方に向っての圧力があるならば呼鈴は鳴る筈であります。それが無いから鳴らないのであります。


(十二)種々の実験を観測

目  次

(十四) 卓子下の秘密の発見

底本: 雑誌 「心霊界第二巻第六号」 

発行: 1924(大正14)年6月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2007年 月 日

※ 公開:新かな版     2007年7月17日


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