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評壇

▲国民思想の善導▼

 国民の思想善導も、この思想伝逹現象を真に理解しなければ隔靴掻痒かっかそうようそしりは免れない。国民全般の思想は、訓話や宣伝ばかりでは決して善導せられるものではない。為政家自身の思想そのものが先ず第一に問題と成って来る。思想は流れ、為政家の思想は国民全般の心に伝逹されるのであるから、国民全般の思想を善導するためには、国民全般の心底に力強く響き得るけの強さを有った正しき思想の持主が為政家たるを根本条件とする恰度ちょうどそれは、全国津々浦々の村民までも無電の恩恵に浴せしめるためには、ず放電そのものと、放電機そのものとが正しくて強きことを第一条件とすると同様である。

 一国の為政家に真に正しく真に強き思想の持主が現われるならば黙って居ても国民の思想は善導せられる訓話だ宣伝だと騒がねば国民の思想が善導せられぬとすればそれこそ為政家の思想が正しくないか若しくは強くないかである。無電に例えれば、放電か放電機かに何等かの欠陥があるのであって、畢竟ひっきょうするに、それは真の為政家たるの資格がないとうことを最も有力に証拠立てるのである。


底本: 雑誌 「心霊界第二巻第五号」 

発行: 1924(大正14)年5月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、底本中の傍点表記を下線表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2007年 月 日

※ 公開:新かな版     2007年5月11日


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