心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊界・第二巻

心霊研究の栞

心霊研究に就きて

 問。『一寸ちょっとうかがいいたしますが、一たい心霊しんれい研究けんきゅうというのはんのことなんです?』

 答。『これはお互様たがいさまもっと大切たいせつ問題もんだいだとぞんじます。んでから人間にんげん何所どこくか? 人間にんげんはたして霊魂たましいがあるかドーか? 生前せいぜん死後しごあいだにはいかなる因果関係いんがかんけいむすばれてるか? われわれのこころからこの不安ふあん煩悶はんもんとうのぞみちはないものか?――これをはじめ、そのほかいろいろの事柄ことがら実験上じっけんじょうから正直しょうじき研究けんきゅうしてくのが心霊しんれい研究けんきゅう御座ございます。』

 問。『そうしますとわれわれ人間にんげんには死後しご生活せいかつというものがあるので御座ございますか?』

 答。『無論むろん御座ございます! 西洋生活せいようでは五六十年前ねんまえから立派りっぱ学者達がくしゃたちがこのこと綿密めんみつしらべはじめ、日本にほんでも近年きんねんそのみち熱心家ねっしんかがボツボツあらわれてまいりました。モー今日こんにちとなりましては死後しご世界せかい状況ありさまは、ほぼるようにわかってまいりました。それをらずにるとそろそろ時代じだいおくれだとわらわれます……。』

 問。『でも死後しご世界せかい研究けんきゅうなどは閑散ひまひとのやることでしょう。われわれのような貧乏びんぼうひまなしの人間にんげんには当分とうぶん用事ようじがない事柄ことがらかとぞんじます。』

 答。『それは大変たいへん見当けんとうちがいで御座ございます。貧乏びんぼうであればあるほど、多忙たぼうであればあるほど結構けっこうこころかて必要ひつようがあるのです。そんなかたがひょっと病気びょうきにかかるとか、不幸ふしあわせうとかするとたちま悲観ひかんしたり、迷信めいしんとらわれたり、危険思想きけんしそうおこしたりするのです。現代人げんだいじんりて心霊しんれい研究けんきゅうほど精神的せいしんてき滋養物じようぶつおそらく御座ございますまい。』

 問。『けれども私達わたしたち現実げんじつ業務ぎょうむあたってるものです。心霊しんれい研究けんきゅうをしたとて直接ちょくせつなにかの利益ためになりましょうか?』

 答。『ありますとも! 心霊しんれい作用さようというものははなは微妙びみょう不思議ふしぎなものでなかなか人間にんげん頭脳あたま常識じょうしきおよばぬことをります。この作用はたらき善用ぜんようなさいますと能率のうりつ非常ひじょうたかまり、処世上しょせいじょういろいろの利益りえきともないます。治病ぢびょう発明はつめい著作ちょさく学問がくもん致富ちふ技芸ぎげい人間にんげんのしてんな仕事しごとにも大関係だいかんけい御座ございます。ですからくち申上もうしあげると、えらひと心霊しんれい眼覚めざめたひと平々凡々へいへいぼんぼんひと心霊しんれい眼覚めざめないひとということになりましょう。かく心身しんしんともにひとすぐれて一だい成功者せいこうしゃになろうとおもえばの一ばん心霊しんれい研究けんきゅうせねばなりません。』

 問。『おかげ大変たいへんよくわかりましたが、一たい日本にほんでそんなこと早道はやみちわか工夫くふう御座ございます?』

 答。『御座ございますとも! 大正たいしょう十二ねんはる諸名士しょめいし賛助さんじょ協力きょうりょくによりて心霊しんれい科学研究会かがくけんきゅうかいというものが東京とうきょう組織そしきされ、関東かんとう大震だいしん火災後かさいご大阪おおさか心霊しんれい専門せんもん機関きかん雑誌ざっし心霊界しんれいかい発行はっこうしてります。つきかい発行はっこう定価ていかは一さつわずかに五拾せん、一ヶねんえん五拾せんです。日本にほん特有とくゆう心霊しんれい事実じじつ紹介しょうかいすることはもうまでもなく、東洋とうよう西洋生活せいよう心霊しんれい事実じじつすいいて平易へいい紹介しょうかいし、会員かいいん読者しょくんめに沢山たくさん紙面しめんいてります。是非ぜひんでいただい。そしてしおみのうえ結構けっこうであると御賛成ごさんせいくださいましたら、あなたがた極々ごくごくしたしい人達ひとたちにも是非ぜひすすめてましていただきたい。活動かつどう写真しゃしん見物けんぶつを一節約せつやくしただけで、このうえもない精神上せいしんじょう滋養物じようぶつながらにしてお手元てもとわけであります。』

 問。『それはよくわかりましたが、たん書物しょもつばかりでなく心霊しんれい現象げんしょう実験じっけんることはきますまいか?』

 答。『それはきます。只今ただいま大阪市おおさかし東区ひがしく平野町ひらのまち丁目ちょうめ番地ばんち心霊しんれい倶楽部くらぶですぐれた数名すうめい霊覚者れいかくしゃえらびてほとんど毎日まいにち実験じっけんしてります。会費かいひは一ヶげつわずかに一えんです。大阪おおさか中心ちゅうしんとせる最寄もより方々かたがたはもとより、遠方えんぽう会員かいいん諸君しょくん大阪おおさか御通過ごつうかさいには是非ぜひ立寄たちよりをねがいます。』


底本: 雑誌 「心霊界第二巻第二・三号合併」 

発行: 1924(大正14)年2月11日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。

※ また、HTML化に際して、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、強調表記に、置き換えました。

※ 入力:いさお      2007年2月11日

※ 公開:新かな版     2007年5月3日


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