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がまの怪◇

明治より二三年前のことである。石見国邑智郡粕淵村字小原の古刹の浄土寺で夜々廊下にかみしも姿の武士が何十人となく列座して居る形が誰彼だれかれとなく人々の眼に見えるので大に怪異とされたが、武士の姿はがまが為すとの伝説があるので、る日、所の人が大勢、寺の内外を捜索すると、裏の江ノ河の蛇淵と唱えられた深潭しんたんの上にある岩の大きな罅隙かげきに大小無数のがまが群集して居たから、それを捕えたら、カマスに一ぱいあった。これを皆蛇淵へ投げ棄てたら、その後、寺内で怪しの姿を見ないようになった。


底本: 雑誌 「心霊界第二巻第一号」

発行: 1923(大正13)年12月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 入力:いさお      2007年2月10日

※ 公開:新かな版     2007年4月4日


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