心霊図書館雑誌総合案内> 「心霊界・第一巻

不思議な腫物

元禄十六年五月上旬の事である、京の油小路二条上る屏風屋長右衛門という者の子に長三郎という者が居った。突然発熱して下腹に大きな腫物はれものが出来たが、その腫物パクと口を開けて、言葉あざやかに人語を発するのみか、食事もこの口で弁ずるようになった、食い過ぎてはわるかろうと、少し食事を控えると、大熱起ってさまざまに悪口雑言を発するので、早速医者を呼んで診せてみたが、どの医者にも見当が取れず手のつけようがなかったが、七月に菱玄陰という博識の高医に診せたところ、菱玄陰はこの口に種々の薬味を与えて、いやがる薬種を五七種配剤に及び、悪口雑言に頓着せず、強いて服用させてみたところが、一両日すると、だんだんその口の声が涸れて来て、食事も減少し、十日ばかりして糞門から一尺一寸位の、雨龍のようなものが飛び出したのを、即時に打殺したという事である。


底本: 雑誌 「心霊界第一巻第十一号」

無記名記事につき著者不明

発行: 1923(大正13)年12月1日 心霊科学研究会

※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に準拠して、底本の旧字表記をあらためました。

※ 入力:いさお      2007年1月29日

※ 公開:新かな版     2007年1月31日


心霊図書館: 連絡先